競合アプリのレビュー分析とは
競合アプリのレビュー分析とは、ライバルのApp StoreやGoogle Playに投稿された公開レビューを読み、分類し、タグ付けして、ユーザーが何に不満を抱き、何を求め続け、どこに製品の穴があるのかを突き止める作業です。要するに、市場調査はすでに書き上がっている。しかも、あなたが作ろうとしているものにお金を払っ...
ただ、大半の人はこれを雑にやります。1つ星レビューをざっと眺めて、面白いものを2つスクショしてスライドに貼り、「調査完了」。それは分析ではありません。ただのネットサーフィンです。
競合アプリのレビュー分析とは、もう少し厳密に言うと
ライバルアプリに寄せられたユーザーの声を体系的に読み込み、個別のエピソードではなくパターンが浮かび上がる形に整理すること。これがレビュー分析です。
ここでの「体系的」がポイントです。「エクスポートボタンが壊れてる」というレビュー1件からは何もわかりません。でも、エクスポートに言及したレビューが18か月にわたって40件あり、開発元が毎回「確認中です」と返信していたら? それはもう明確なシグナルです。レビューが書いていることと意味していることのギャップを埋める、そこが本当の仕事です。
なぜわざわざやるのか。他の調査手法のほうが割に合わないからです。ユーザーインタビューは数週間かかるうえ、相手は気を遣って本音を言わない。アンケートで返ってくるのは、こちらが聞いた質問への答えだけで、本当に知りたかったことは出てこない。一方でアプリレビューは、誰にも頼まれず、感情のまま、すでにお金を払った人が書いています。手加減する理由がどこにもない。
もうひとつ、あまり語られない理由があります。レビューを読むと、ユーザーがその製品を「何のためのもの」と思っているかが見えてくるのです。それが企業側のポジショニングとまったく違うことも珍しくありません。カップル向けを謳う家計簿アプリのレビュー欄が、請求書を管理するフリーランスで埋まっている、といったケース。このズレは、目の前に転がっているプロダクトチャンスです。
競合アプリのレビュー分析をする方法
- 競合は1社ではなく3〜5社選ぶ。 1つのアプリだけ見ても、そのアプリのバグ一覧しか手に入りません。同カテゴリの5つを並べれば、そのカテゴリで誰も解決できていない課題が見えてきます。市場のトップと、勢いのある新興プレイヤーを最低1つは入れておくこと。
- レビューを集める。 App StoreやGoogle Playで手作業で読んでもいいし、エクスポートしてもいい。GoogleのPlay Console reviews APIは自社アプリ向けなので、競合分にはスクレイピングツールかレビュー分析プラットフォームが必要になります。
- 星の数で絞り込みつつ、全部読む。 1つ星は怒り、5つ星は愛。使えるネタが眠っているのは2〜4つ星の帯です。使い続ける程度には気に入っているけれど、何か具体的な点にイラついている人たち。
- すべてのレビューにテーマのタグを付ける。 価格、オンボーディング、機能不足、パフォーマンス、サポート、同期の問題など。最初はタグを8つくらいに絞っておくと管理が楽です。あとから増やせばいい。
- テーマを頻度と時期で並べ替える。 3月以降ぱたりと消えた不満は、おそらく修正済み。3月から急に出てきた不満は、新しいバグか料金改定が原因でしょう。
- 開発元の返信を確認する。 同じ機能について2年間「ロードマップに入っています」と言い続けている会社は、まず出しません。そこがあなたの入り込む隙間です。
- 具体的なチャンスを5〜10個書き出す。 「UX改善」ではダメです。たとえば「Android版のオフラインモード。要望が繰り返し出ているが、競合の返信では実装予定なしと明言」レベルまで落とし込みます。
以上です。手法自体は地味そのもの。難しいのは、これをちゃんとやり切ることです。
実際にやってみるとどうなるか
誰でも知っているカテゴリで試してみる。習慣トラッカーだ。大手アプリのPlay Storeのページを開いて、レビューを「最新」で並べ替える。20分読めばパターンが見えてくる。サブスクへの不満が固まって出てくる。ウィジェットの不具合も固まって出てくる。そして、アプリにすでにある機能を「つけてほしい」と言っている人たちも、やはり固まって出てくる。
最後のパターンが個人的に一番おいしい。これは機能要望ではなく、発見できていないという問題だから。すでにある機能を求められているなら、競合のオンボーディングが機能していない。同じ機能を「見つけやすく」するだけで勝てる。
もうひとつ確認しやすい例。Appleは開発者がレビューに公開返信できる仕組みを用意していて、その詳細はAppleのApp Store Connectヘルプに載っている。この返信をまとめて読んでみるといい。テンプレ返信ばかりなら、中に人がいない。具体的で個別に書かれた返信が並んでいるなら、そのチームは本気で、サポート面で上回るのは難しい。
ひとつ異論を言わせてほしい。レビューの件数を問題の大きさの目安にしている人が多いが、これは違う。レビューを書くのは両極端の人たちだ。感激した人と、激怒した人。沈黙している中間層は何も書かない。だからレビューは「どんな問題があるか」を見つけるために使う。規模の見積もりには使わない。規模を知りたいなら検索需要やフォーラムのスレッドを見に行く(r/androidappsや各プロダクトのsubredditが役に立つ。Redditの検索は使いにくいが、まあ何とかなる)。
手作業・ツール・ハイブリッドの比較
| やり方 | 向いている場面 | 時間コスト | 弱点 |
|---|---|---|---|
| 自分で読む | 競合1〜2社、最初のざっくり調査、レビュー数が少ない場合 | アプリごとに重い、準備はゼロ | 古いレビューを見落とす。無意識に都合のいいものを拾う |
| スクレイピング+スプレッドシート | 独自のタグ分類を作る、同じ監査を繰り返す | 準備が重い、1回あたりは軽い | ストアのレイアウトが変わるたびにスクレイパーの保守が必要 |
| レビュー分析ツール | 競合が複数、継続的なモニタリング、テーマのクラスタリング | 準備が軽い | 分けておくべきテーマを自動でまとめてしまうことがある |
| ハイブリッド(ツール+自分で読む) | 本気のプロダクト判断 | 中くらい | ツールが整理した後に本当に読む、その規律が必要 |
おすすめはこう。ツールでクラスタリングして順位をつけ、上位3クラスタについては自分で50件読む。パターンを見つけるのはツール。ランディングページのコピーに使える「言い回し」を見つけるのは自分の頭だ。
どのストアを見るべき?
両方、しかも別々に。同じアプリでもiOSとAndroidでは不満の内容がずれることが多い。ビルドが違うからだ。合わせて集計すると、プラットフォーム固有のバグが埋もれてしまう。片方しか時間が取れないなら、自分が作る側のプラットフォームを選べばいい。
どのくらいの頻度でやり直す?
監視しているカテゴリなら四半期ごと。それとは別に、競合が大きなアップデートを出したときと価格を変えたときは、すぐに。価格変更の直後はレビューが一気に増え、どの価格帯で客が離れたかがはっきり見えてくる。
重要なポイント
- 競合アプリのレビュー分析とは、他社アプリのレビューにタグを付けて整理し、繰り返し出てくるのに放置されている問題を見つけること。名言集めではありません。
- 使えるヒントが多いのは★2〜4の帯。★1の怒りの投稿よりずっと具体的です。
- 開発者の返信にはロードマップの本音がにじみます。「検討中です」の連発は、要するに誰も手を付けていないということ。
- レビューでわかるのは「どんな問題があるか」だけ。「どれくらい大きいか」は別の手段で測ってください。
- iOSとAndroidは分けて分析。ビルドが違えば、不満の中身も変わります。
今夜のうちに自分のカテゴリから競合を3つ選び、タグ用のシートを開いた状態で直近100件のレビューを読んでみてください。2つ目のアプリを読み終わる前に、作るべき機能のリストができているはずです。クラスタリングを自分でやりたくないなら、無料のアプリレビュー分析ツールにリスティングを投げてみると、実際のユーザーの不満からどんなプロダクトの機会が浮かび上がるかが見えます。
よくある質問
Q: 競合アプリのレビューをスクレイピングするのは合法ですか?
A: アプリストアのレビューは公開情報なので、読むだけなら問題ありません。ただし自動スクレイピングは各ストアの利用規約に左右されるグレーな領域です。自分でスクレイパーを作る前に、AppleとGoogleの最新の規約を確認してください。収集まで面倒を見てくれるサードパーティのツールを使えば、その責任はツール側に移ります。
Q: 分析が役に立つまで、レビューは何件くらい読めばいい?
A: 新しいレビューを読んでも新しいテーマが出てこなくなるまで。実際にやってみると、繰り返しにはすぐ気づきます。直近20件がすべて既存のタグに収まるようになったら、そのアプリはもう伸びしろが小さいサインです。
Q: 古いレビューも見るべき?それとも最近のものだけ?
A: まずは最近のものから。これは絶対です。古いレビューは、何年も前に修正済みのバグの話が多いんです。古いレビューが効くのは1点だけ。いまだに消えていない不満を見つけるとき。これが最も強いシグナルになります。
Q: レビュー分析とASOのキーワードリサーチはどう違う?
A: ASOでわかるのは、アプリを見つけて**もらうために人がどんな言葉で検索するか。レビュー分析でわかるのは、インストールした後に何が起きているか。役割が別物です。両方必要ですが、機能ロードマップをくれるのは片方だけ。
Q: 何も作る前に、新しいアプリのアイデアを検証する目的でも使える?
A: それがいちばんいい使い方です。競合5社に同じ未解決の不満があって、どの開発者の返信にも改善の気配がないなら、コード1行も書かずに需要の証拠を手に入れたことになります。
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まずは無料分析で競合の不満パターンを確認し、本格的な調査スプリントが必要になったらProにアップグレードできます。